2013 BEST ALBUMs In 日本語ラップ

2013年のベストアルバム始まるよ。今年は感想a.k.a駄文も書いたよ。
構成は雨降り△さんの記事をパクりました。ぶっちゃけ俺のブログより雨降りさんの記事を読むべき。
読み終えた人は以下の記事を読んでOK。ではいきます。

10.5lack x Olive Oil / 50

http://www.youtube.com/watch?v=K9KJdp63bnI

強いループと強い言葉に聞き惚れる。一聴したときはアーハイハイ、コギレイナカンジネーとスルーしていたんだけどいざランキング決めようって段階でしっかり聞き直したらすげーよかった。イマイチ刺さらなかったって人も耳を澄まして聞き直して欲しい。
「I LIKEDARK CHOKOL」から「早朝の戦士」の流れがとても好き。5lackのもう一つのアルバム「5 sence」より圧倒的にこっち。おすすめは「早朝の戦士」

9.RHYMESTER / ダーティーサイエンス

http://www.youtube.com/watch?v=dxZxwaHLatg

前作は説教臭さが勝っててあまり刺さらなかったけど、これは良い。正統派のラップでここまでカッコ良くなれるんだっていう素晴らしい見本。
RHYMESTERはいわば教科書、正統派。韻が固くて、リリックは面白くて、Hookはポップ。そんな教科書スタイルで大ベテランになった今もフレッシュなアルバムを出してきたことに痺れる。澤村が完投するのと山本昌が完投するのじゃ意味が違うんだよ!
Mummy-Dはエモい方向へ行く一方、宇多丸師匠がどんどんスキルフルになっている気がする。フレッシュ。でもやっぱり説教臭いIt's A New Dayとかは苦手。おすすめは「ゆめのしま」、「ダーティーサイエンス」、「Deejay Deejay」

8.LowPass / Mirrorz

http://www.youtube.com/watch?v=KEsZ9BlPZWw

骨太&きらびやかなtee-rugのトラック。それを軽やかに乗りこなしつつ、固い韻で押韻主義者を唸らせるGivvnのラップ。それにエンジニアはillicit tsuboi。なんなんだかなってくらいカッコいいですね、はい。誰もが「すき〜っぷすきっぷすきっぷすきっぷすきっぷ」と一度は口ずさんだだろう。僕も三回くらいやりました。
とりあえずどの曲聞いてもかっこいいし首が振れる。超機能的なアルバムなのは間違いないんだけど、軽やかすぎて何をやりたいのかよく見えず、いまいち刺さってこないのでこの順位。多分クラバーが選んだら一位なんだろうけど俺人見知りだし。美人でスタイルも性格もいいけどなぜか惹かれない、みたいな印象です。おすすめはもちろん「Skip」で。

7.jinmenusagi / ME2!

http://www.youtube.com/watch?v=aX2JSGvwd0g

このアルバムは真っ当な聞き方をしてはいけない。部屋を暗くして大音量で聞こう。ああ脳がとろける。脳細胞が死んでいく。偏差値がゆっくりと、しかし確実に下がっていく感覚を楽しもう。え?歌詞カードが見えない?そんなもんは焼いて捨てろ!
とにかく大音量でカッコいい音とカッコいいラップに身を任せよう。葉巻などあるとなおよし。隣人に刺されたくなければヘッドホンで聞くことを勧めます。
おすすめは皮肉が効いててミンちゃんもカッコいい「カジュアルデス feat. MINT」、疾走感がたまらない「Turn It Off」

6.PRIMAL / Proletariat

http://www.youtube.com/watch?v=NSOqMtevV7o

言葉を吐き出すっていう表現はよく見るけど今作のPRIMALはまさにそれ。
リリックは集中して聞かないと耳に入ってこない。具象から抽象までぶっ飛んで意味を理解するのにも一苦労、と言うか意味がわかりかねるものも多い。だけどその言葉選びはことごとくイイところを突いてくる。ガサツだけどセックス超上手いみたいな。ヒップホップにおける詩の楽しさを存分に味わえる。聞いた後疲れるのはまあ仕方ない。ラスト曲も爆弾なんだけど俺は「共倒れ」が好き。
「のらりくらりの旅路の終わり 蕾の如き良きこの日 折り重なり命尽きては行く先に また無に戻り」

5.BASI / RAP U

http://www.youtube.com/watch?v=2nuQTbWV6sk

想像してみよう。EVISBEATSとMC BASIが組んで「聞き手の隣に寄り添うようなアルバム」を作り出したとしたら?最高だろう?今作がそれだ。こんなクサい言い方をしたくなるくらい良いです。
ひとつひとつのことばにBASIの思いを感じる。大切な人を大切にしたくなる素晴らしい効果を持つアルバム。
聞くべきはやはり「あなたには」でしょう。
「あなたにはどうかこの歌が届きますように 明日には少しでも気持ちが晴れますように 言葉には強い力が宿ってますように こみ上げたその涙決して忘れないように」

4.ECD / The Bridge : 明日に架ける橋

http://www.youtube.com/watch?v=W_oNV_SYREs

「このアニメーションは、ステレオHi-Fiで録音されております。大音量でお楽しみください」
というのは「すごいよマサルさん」のアニメ放送開始時のフレーズだけどこのECDのアルバムも同じ。まず馬鹿みたいな音量にして身体を揺らすこと。リリックなんて嫌でも聞こえてくるし気づいたら口ずさんでいるはず。もう俺はECDの絞り出す言葉にヤラれている。おすすめは「憧れのニューエラ」と「NO LG」です。

3.SD JUNKSTA / OVERDOSE NIPPON

http://www.youtube.com/watch?v=Oj7iyhCYUM4#t=41

各ソロをひり出したメンバーはラップスキルもリリックの面白さも鉄板。こいつらに必要なのは優秀な監督なんだなってところにBACH LOGIC御大が入ってきて、がっちりまとめてくれました。ルーキーズみたいだな。
びっくりしたのはトラックがたまらなくかっこいいこと。キャッチーなHookもあって素直にあがる!「Good day, Good Time」の前半とか晴れやかすぎて大好きだ。あとみんなnitroとかで経験済みだと思うけど、こいつダメだなとか落ちたなっていうメンバーがいないのも素晴らしい。またいい監督に率いて欲しい。聞きどころはみんな大好きBRON-Kのクソリリック。
「さっきのギャルじゃねーじゃん武者ガンダムかおめーは」
「面から下が基準 パイオツかくびれかケツ」

2.SMRYTRPS / ぐんじょうのびろうど

http://www.youtube.com/watch?v=kNuyPTnwjvM

OrangeVoyagers、PurpleGigantに続くクラフトシリーズ第三弾。DJ TKYMとタカツキの手がけるトラックは暖かみがあり体が揺れる。
現メンバー(タカツキ、zoe、zom、Semmy+DJ TKYM)のキャラクターなのだろうけど本当に普通の日々をテーマとしている。仕事して、帰りに一杯やって、女の人と過ごして、夜におかしを食べて、たまに孤独になって、あかりのついた家へ帰る。
生活に根ざした言葉はするりと沁み込んでくる。すべてのはたらくひとへ。
なかでもタカツキソロの「ほっぺた」が珠玉。ベッドでのこういうまどろみ、大好きです。

1.MACKA-CHIN / INCOMPLETENESS THEOREM

http://www.youtube.com/watch?v=nG35xqoVnr4

音が気持ち良い。ラップが気持ち良い。言葉が脳に入りこんでくる。
ラップの気持ち良さは言うまでもなく、加えて放り投げられたかのような小気味好い言葉が脳にぐさぐさと刺さってくる。
今作のトラックはマッカチンではなくGRUNTERZによるものだとさ。初めて知った名前だけどもりもりと展開して耳を飽きさせないし、なんかマッカチンぽい。マッカチンはインタビューでトラックの「ドラマティック且つロマンティックって部分」にピンときたと語っていた。言葉の通りの素晴らしいトラックに夢中になる。
音と言葉で情報過多になって、脳が飽和して、気持ち良さだけが残る。そんな作品。ひとしきりブッ飛んだ後でリリックをちゃんと聞くとまた趣深い。
どれも良いけどまずは「アラフォーのテーマ」を聞くべきだ。そして買うべきだ。

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おまけ:2013年のFullmember枠: Fullmember / After December

http://www.youtube.com/watch?v=TGuJJzB73FM

このアルバムは明らかに黒魔術か何かの類であり、世が世ならこんな音を出す集団は何かしらの刑に処されていたはずだ。本当に21世紀でよかった。思えばFullmemberはだんだんと怪しい雰囲気を纏うようになってきた。「4 visions」とかの頃はもうちょっと真っ当だったような覚えがあるぞ。「There was There feat. Cello a.k.a Massan」とか誰もが聞くべき名曲だったのになんというメガ進化か。
悪口を書きたいわけじゃないんだけど、今作をするりと飲み込めるだけの度量は俺にはない。でも一つ一つの曲は怪しく光っている。Confusionのプチプチノイズとワンループにまどろむ。Odoreの超シンプルなループを聞いていると体を揺らしたくてムズムズする。kitakazetotaiyouのトラックは何事なのか。
この妙な店に迷い込んだような感覚は一度体感してほしい。ちょっと変な店に限ってまた行きたくなるものなので。


以上、俺の2013年ベスト10+αでした。君の好きなあのアルバムはランクインしていたかな?
それではまたどこかで。